細菌とウイルス

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細菌

細菌とは、大腸菌などを含む生物群で、形状は球菌か桿菌、ラセン菌が一般的で、通常1-10 µm(ナノメートル)ほどの微小な生物です。細菌は細胞を持ち自己複製能力を持った微生物で一つの細胞しかないので単細胞生物です。核を持たないという点で古細菌と類似しています。遺伝やタンパク質合成系の一部に異なる機構を採用し、細菌は地球上のあらゆる環境に存在しており、その代謝系は非常に多様といえます。食品関係においてはチーズ、納豆、ヨーグルトといった発酵過程において以前から用いられてきました。また、腸内細菌群は食物の消化過程には欠かすことのできない一要素です。一部のものは病原細菌として、ヒトや動物の感染症の原因になります。

ウイルス

ウイルス(ラテン語: virus)は、他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸から構成されています。生命の最小単位である細胞やその生体膜である細胞膜も持たないこと、小器官がないこと、自己増殖することがないことから、生物かどうかについて議論があるところです。

一般的には「ウイルスは生物ではない」とされますが、一部学者には、生物に含める見解もあります。その根拠にはウイルスが宿主に感染した状態を本来の姿と捉えれば生物のようにふるまっていること、ウイルスの中には遺伝子を持ったウイルスもあることなどがあるようです。ウイルスを生命体と見なせば、その数や多様性は地球上で最も多く、メタゲノム解析の実用化により様々な環境においてウイルスが見つかっています。宿主に残ったウイルス由来の遺伝子が生物進化に関わったり、地球の生態系や気候にも影響を与えたりしている。ヒトを含めた動植物に感染症など疾病を引き起こすウイルスは一部であるが、発見・分析されていないウイルスが野生鳥獣を宿主とするものだけで170万種あり、その半数が人獣共通感染症の病原体になるリスクがあると推計されています。

たとえ栄養と水があったとしても細菌とは異なり、ウイルス単独では生存できません。ウイルスは、自分自身で増殖する能力がなく、生きた細胞の中でしか増殖できませんから、他の生物を宿主にして自己を複製することのみで増殖します。ウイルスが感染した細胞は、ウイルスが増殖して多量のウイルスが細胞外に出てくるため死滅します。そして、その増殖したウイルスがまた他の細胞に入り込んで増殖を続けます。 すなわち、ウイルスにとって、他の個体へ感染させえ続けることが生き残るための必修条件となるのです。

比較

感染を引き起こすのは主として細菌とウイルスで、これらはよく混同されます。細菌とウイルスを区別する時、大きな違いは、大きさと増え方といえるでしょう。 細菌はウイルスの約100~1000倍大きく自分でエネルギーを作ることができます。一方、ウイルスは自分でエネルギーを作り出せないので、ほかの生物を利用して増えていきます。
一般的に細菌には抗生物質が有効ですが、一部インフルエンザウイルス等に有効な抗ウイルス剤を除きウイルスには抗生物質の効力はありません。ウイルスにはワクチンが用いられ、ワクチンとは無毒化したウイルスを体内に入れて免疫力を高め、実際に感染した時に急激にウイルスが増殖することを抑止します。

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